Net Water

2006/07/20

site:renkon.org,Kyoto University of Arts, Xilinhot(china)

date:20 July 2006

 

京都造形芸術大学にてkeiko courdy氏との共同授業公演。システムとモンゴルからの中継を担当。公演場所近辺に住む内向的な男性と、内モンゴルに住む伝統芸能を生業とする一家をビデオチャットで繋いだパフォーマンス+インスタレーション。会場にいる観客は携帯電話のカメラ機能を利用した簡易コミュニケーションシステムを使用し、内向的な男性を内モンゴルにいる長女にコンタクトさせようと導く。

 

 

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Net Water(モンゴル班)日記


7/16
22時過ぎにシリンホト到着。空港小さすぎ。出演者のサエハンとwebデザイナーのソドゥが出迎えてくれる。

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7/17
京都へ送る映像を撮影するため市内にあるオボやら車で1時間ほど離れた草原やら大きな川やらへ行く。ちょっと馬に乗ってみる。
使えそうな映像を切り出し、ソドゥの家でネットを借りてアップロード。ついでに京都とskypeでミーティング。
本番で使用する現地へ下見。ADSL線と電源ケーブルをゲルまで通すため草原に穴を掘る。ケーブルがトラックに轢かれたり牛に食べられたりするので。

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7/18
昼御飯に羊の鍋と草原酒。早くもベロベロ。ネットワークテストして、近所から借りたゲルをたてる。どの家に行ってもチーズとバター茶が出る。ゲル設営後ゲネプロ。皆思うまま演奏したり相撲とったりで段取り等激ムズ。
夜風呂屋へ。恥ずかしい格好で洗われる。

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7/19
朝から3回目の停電。井戸が電器式なので水も出ない為、近くの井戸持ってる家までバイクで水もらいに行く。近所の人が電話して停電直してもらう。電気工事とかそういう問題ではなく近所の誰かが直すらしい。
羊を一匹捌く。モンゴル流は血を一滴も大地に落とさないようにするらしい。みぞおちにナイフを刺し手を突っ込んで心臓を握って絞める。捌いてくれた旦那さんは漢民族で少し間違えてた。近所の奥さんや子供達も手伝ってくれ、手際良く皮剥ぎしたり血のソーセージや腱の詰め物、ハンバーグ的な何か等を作っていく。牛糞を燃料にしたコンロで一旦全部茹でる。
ゲル内でネットテスト中にとんでもない嵐が来る。日本人二人しか居なかったためテンパって助け呼ぼうとするが雨が凄すぎて50cm先も見えない。なんとかゲルを支えようとするが骨組みが次々と倒壊し、機材を守るので精一杯。本当に死ぬかと思った。手伝いに来てくれた人達のバイクも壊れたり隣の家の屋根が吹き飛んだりで大変なことになっていたが、珍しいことではないそうだ。
ゲルが使えないし雨の為、電気を借りてる家の中で本番をおこなおうとするが、モンゴル色を全面に出した歌や踊りを漢民族の旦那さんが快く思うはずはなく、怒りだした為に急遽LANケーブルをひき、届く範囲ギリギリでPCと共にビニール袋に入った状態で本番スタート。奥さんはモンゴル系なので相当複雑な気持ちだろう。みなハレの民族衣装なのにズブ濡れで待機してくれている。後半晴れて虹が出た。夕日も美しいが、この凄さがネットを通じていったいどれだけ伝わるのか。
夜は宴会。みな飲む歌う飲む歌う飲む歌う。日本人はみなと同じモンゴルの人間だと大歓迎される。

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 7/20
昼にネットカフェでskype使いミーティング。電気借りてる家主が怒っているため遅めに現地入り。ゲルの修復しつつネットの接続確認するが先日の嵐の為かADSL線が断線していた。屋内のTAからLANケーブルを延ばし、そこからAirMacを使い行けるところまでワイヤレスで繋げる。5分遅れて本番スタート。ワイヤレス接続のためバッテリーの消費が早く、プラグのある所まで一旦移動。途中接続が切れてしまう。ソドゥが屋内へ確認に走ると電源が抜けていたらしい。漢民族衆で飲んでいた旦那さんは犬が抜いたと言い張る。「『内』モンゴル」という複雑さを痛感。夜の打ち上げで、捌いた羊を食べる。美味い。全部美味い。深夜にディスコ(!)へ。なぜか全員チークダンス踊ってる。当然強制参加。今回は人生中初体験のなんと多いことか。その後焼肉屋で朝まで飲み、7時ごろのバスでフホホトへ移動。

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7/21
17時ごろフホホト到着。サエハンの妹が英語話せるので市内を案内してくれた。フホホトはナーダム中で活気がある。五重塔で見た仏像がスゲーかっこいい。餃子美味い。ジェネレーションのせいか妹は中国モンゴル文化に対しておおらかな印象。駅まで送ってもらいシベリア鉄道でウランバートルへ。2泊。

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7/22
シベリア鉄道。香港からきた48歳のひとと中国系モンゴル人と同じコンパートメントになる。この香港人は卒業旅行でマチュピチュ行くくらい辺境好きらしい。この香港の人と隣にいたイスラエル人と僕しか電車内で英語通じる人がいないため仲良くなってしまう。イスラエル人は22才で、3年間の兵役(空母のエンジン工)が終わったのでとりあえず旅に出ているらしい。北京のバスで荷物無くしたらしくヘコんでた。中国鉄道の職員が、書類の金額と持ち金が僅かに違っていたという理由で若いオネーチャンをずっと拘束していた。同コンパートメントの中国系モンゴルの女性が拘束されている人が心配だからと職員の部屋で一緒に寝てあげていた。

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7/23
ウランバートルに到着。大量の機材があるため安いゲストハウスに泊まれずホテル探す。情報では40ドルと聞いていたホテルが80ドルに変わったと吹っかけるのでオーナーに電話して交渉。一人25ドルになる。テキトーだなあ。とりあえず町を散策するが何も無い。物資はロシアと韓国と中国から来たものが殆どでウランバートルならではというものは無いらしい。地ビールのチンギスビール飲むが不味い。

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7/24
町外れのガンダン寺へ行く。モンゴル仏教はチベット仏教の影響が強く、ほぼチベットデザイン。本尊の開眼観音含め価値ある物はすべてソ連が持って行ったため粗悪品かレプリカしか残っていない。
美術館と博物館行くが寺同様美術的に優れたものは見当らず。点在するザハと呼ばれる市場へ行く。真っ暗な地下で蝋燭の明かりを頼りに商店がひしめく。wiz!

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7/25
サクラカフェという日本人が経営している店で色々と情報をもらう。日本で話題の岩塩はモンゴルでは使っていないらしい。ザハは強盗が多いので絶対手ぶらで行け、とか。
結局自分が抱いていたモンゴル的なイメージに沿うものは一つも見つからず。外モンゴルは中国、ロシアと、内モンゴルは中国との折合いをつけながら違うバランスで進んでいるのだと思う。


7/26
朝、空港へ。北京経由で関空だが、北京の乗換え時に空港のシステムがダウン。だいぶ待たされやっと帰国。最後まで何かしらのトラブルがある旅だった。